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LINE Bot × AI:1週間でAIチャットボットを作ってみた振り返り

Published:  at  10:27 PM

作ったもの:「ムギちゃん」LINEBot

最近、LINEBot × AIの組み合わせで「ムギちゃん」というLINEBotを作ってみました。

当初の野望:「今日の私LOG Bot」

実は最初に作ろうと思ったのは、めちゃくちゃ本格的なライフログ・SNSサービスでした。

元々の構想

壮大な設計書まで作って、Z世代の心理分析からビジネスモデルまで1000行超のドキュメントを書いていました。収益予測とか競合分析とか、まるで本当にサービスをローンチするみたいに。

もっと最初期には、TikTokをスクレイピングしてZ世代のトレンドを分析するみたいなことも考えていました。ただ結局、すでにトレンドになっている情報を出す意味があるのかわからない。あと表面上のトレンドを取得しても、所属しているグループによってトレンドって違うから、もっと友達とか近い人たちのトレンドみたいなのを取得した方が面白いなと思いました。

結局このアイデアもピボットしてムギちゃんになりましたが…。まぁ個人的には「みんなどう生きているんだろう」みたいなのは、自分もそうですが積極的に聞きに行こうとはしないけど知りたい、みたいな人は一定数いるんじゃないかなーってなんとなく思うので、いつの日か満足する形で作れたらいいですね。

なぜピボットしたのか

理由は、途中で妻に「それ何が面白いん?」って言われて、確かになーってなってピボットしました。

元々の構想では:

みたいな感じだったんですが、友達同士で使ってもらうハードルも高いなと。

実現自体はできたら面白いかもしれないですが、結局のところ「ユーザーがどういう行動をするのか私が知りたいし、他のみんなも知りたいよね?」みたいなところを主軸にしたい気持ちが先行しすぎて、それよりの機能になってしまっていました。使いたくなるポイントが薄いなと感じたんです。

言葉だけで見たら悪くはないんですが、それを具体的に実現しようにも「まずなんでそれを使ってみようって思えるん?」みたいなところが弱くて。結局、始めの箇所に利用するポイントみたいなのがなく、あくまで「みんなが使っているからこそこういうことができるよね」みたいな部分ばかりって感じでした。

そんなこんなで、壮大な構想は諦めて、最終的にはもっとシンプルな「ムギちゃん」というLINEBotを作ることにしました。元々の野望と比べると大分しょぼくなりましたが、まずは何か動くものを作ってみようということで。

技術スタック

全部AIで作りました。最初らへんの構築とか実装はDevinに作らせて、あとはGitHub CopilotのAgentモード使いながら1〜2日くらいで動くものができました。そっから色々調整したりとか無駄に機能をリッチにしようと頑張らせて、一歩進んで二歩下がりながら、最終的には1ヶ月くらいなんやかんやかかった気がします。

結果的にできた機能(実装状況不明)

正直、AIに全部丸投げして1400行くらいのhandlerになってしまったので、何がちゃんと動いて何が動いていないのか分からない状態です。

一応確認できそうな機能

「よく分からないけどこんな感じの機能」という面白さ

AIで機能を作らせているからこそ、「こっちも意味わかんないけど、こんな感じの機能なんだよね」みたいな紹介の仕方しかできないのが逆に面白いなって思います。

普通だったら自分で作ったから「この機能はこういう意図で、こうやって動きます」って説明できるんですが、AIに丸投げして作らせたものは「多分こういう機能だと思うんですが、正直よく分からないです」みたいな感じになる。

逆にめっちゃ頑張って批判されるよりも、幾分かは気楽に「よく分からないけどこんな感じの機能」って言えるのがよかった点?です。

とりあえず動いてはいるので、興味がある人はLINEで友達登録してみてください。ただし、OpenAIの課金制限やLINEBotの無料プランの制限で予告なく停止する可能性があります

ムギちゃんLINE BOT

ムギちゃんLINE BOT

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LINEBotを作ってみて感じたこと

インターフェース面での発見

常にヘルプでコマンド確認させるのはだるいけど、リッチメニュー用意するのもめんどくさかったのでクイックリプライで妥協しました。むかーしLINEBot作った時はなかった機能な気がするので、便利になったなーって感じです。

技術的な課題

LINE というプラットフォームの良さ

みんなが日常的に使っているアプリだからこそ、面白いものや使ってみたいと思えるものをbotとして提供できたら、導入の敷居は低いし他の人にも送りやすい。

LINEというインターフェースの使い方自体は知っているので、特別な学習コストもかからない。なので、LINEBotは比較的簡単に作れるし、使ってもらいやすいのかなーと妻に使ってみてもらいそう感じました。

ただ、リッチなものを作るのはしんどそう。Webみたいに「このページにはこのコンポーネント」って分けられないので、個人的にはWebの方がやりやすい。デザインを作らなくても良いのは便利だけど。

AI開発を使ってみた感想

良かったこと

大変だったこと・反省点

ちゃんとテスト作らせて、動くかAIに判断させた方がよかった。動くのを確認するのが人間だと、できてないのにできたって言いがち。

複雑な気持ち

とは言え、その分愛着を持って作らないなとも思った。小さく作って出して改善していくなら、変に愛着持ってこだわるよりもさっさと出して改善していく方がいい。このLINEBotも、もし自分が手間暇かけて作っていたら「これで出すのはよくない」とか思って結局出せなかったと思う。AIに作らせて出すっていうのはいい経験になった。

AIに全部丸投げした結果の課題

普通にAIに全てをやらせすぎたのが原因。ぶん投げたらそりゃ好き勝手やられるのは仕方ない。今回みたいな量になってしまうと見る気も失せる。

プロダクト開発での学び

課題発見の難しさ

AIにニーズ調査をさせることはできるし、それっぽい統計データを調べさせたり、Xから声を拾ったりもできます。けど、結局よく分からない。

AIが拾ってきたニーズや課題も、結局「いいか」と判断できる軸が自分にはありません。直感で「いいな」って思うタイミングはあったのですが、それを具体化させると「違う」ってなります。

MVPの考え方

MVPで完璧なものや充実しているものなんて作れないし、仮説を試したいからMVPって最小のものを作るんだから、足りなくて当たり前ではあります。だからこそ早く作って早く試してもらう必要がありました。

でも自分は「これで出したらよくない」って思って、改善改善みたいに気になるところを直しまくっていました。出してみて反応を見るべきだったのに、動いていない機能とか、自分が使ってみて「何が面白いん?」ってなってしまいました。結局AIにやらせても一定数こうなってしまうんだなとつくづく自分の性格が嫌になります。

ユーザー視点の難しさ

自分にマッチしていないものを作るのは難しいです。かといって自分にマッチするものを作ろうと思っても、自分のことしか考えていないし、それを具体的にどうやってみんなに使ってもらうかを考えられません。

今後の方針

小さく作って出す

作ってみようって思えるものがないとそもそも作れないので、少しでもいいなって思ったらそれをしょぼくてもいいから最小で作って出す。これをとにかくやっていこうと思う。

仮説の状態で出してもないのに、ピンとこないからと修正して「うーん違うな、やっぱこうかな?」とやっているうちに悶々としてきて余計にしんどくなる。「これで使われるのか分からないな〜」って思うなら、まぁいいだろうくらいで出してみて、そこから何がダメだったんだろうで改善するようにしたい。

マーケティングを早い段階で

誰かに使ってもらう、触ってもらう、見てもらうってことを早い段階でやり始めるべきだった。「こういうの作ろうと思う」ってアイデアの段階であっても、ブログに載せるとかそういうのをやった方がいいなって思った。

次はAI SDKとMCPを作ってみたい

本当はAIとかMCPみたいなところを使ってサービス作りたかったのが色々周りに回って全く関係ないもの作ってしまったので、今はMCP作ってみたい。サービス作るってよりかはシンプルなものをvercel/mcp-adapter使って作ってみたいなと思っている。

全部AIに作らせるのは単純に怖いし、ただ待っているだけで作っても自分の力にもならないしつまらないので、めっちゃしょぼくてもいいから一緒に作って一緒に理解して出すってことをやっていきたい。

まとめ

結果的には「結局ただのAIチャットと何が違うのか分からない」仕上がりになってしまいました。見せ方うまかったらもっといい感じに見せれるかもですが、そんな技量もないので、こんな感じの評価しかできないですね。

当初は壮大な設計書まで作って、Z世代女性向けのSNS型ライフログサービスを作ろうとしていたのに、最終的には「よく分からないけどこんな感じの機能があるムギちゃん」というLINEBotになった。でも技術的にも考え方的にも学びは多かった。

特にAIに全部丸投げする危険性を身をもって体験できたのは大きな学び。1400行のhandlerになって、何がどう動いているのか分からなくなったのは反省点。

でも逆に、よく分からないけどこんな機能という紹介の仕方ができるのは、AI開発ならではの面白さかもしれない。自分が作ったものなのに自分でもよく分からないって、ある意味新しい体験。

AIがあれば確実にチャレンジできる幅が広がって楽しい。自分が今まで時間がかかっていたものを省略できたり、悩みを整理したり、より悩ませてくれたり。簡単にできそうって思わせてくれるけど、やっぱりそう簡単にはいかない。でも着実にチャレンジできる幅は広がっている。

とにかく作って出して使ってもらう。これしかない。

もっと自分をアピールできるようになりたいし、焦ってはないけど焦っているので、お金稼げるようになりたい。もっと宣伝したい!と最近は挑戦できて充実しているなと感じています。

興味がある方はぜひLINEBotを触ってみてください。そして、このブログも見てくださいって感じです〜


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